PGA2310使用時のポップノイズについて
弊社コントローラーシリーズのデータシート中の回路例では
CS3310との組み合わせを紹介しています。
このCS3310をPGA2311に変更する場合は特に問題ございませ
んが、PGA2310に変更した場合、CS3310やPGA2311ほど、リ
セットICによるポップノイズ低減効果は期待できません。
電子ボリュームICそのものは弊社の製品ではございませんの
で、弊社サイトにて勝手な見解を申し上げるのは大変心苦しいとこ
ろでございますが、極力差し障りが無いと思われる範囲で担当者
としての私見を申しあげます。
3種の電子ボリュームICのデータシートを比較して頂きますと、ミ
ュート機構に関する記述はそれぞれ異なります。 PGA2310に
は、他の2種とは異なり、入出力電圧が大きくとれるという圧倒
的に有利な性能があります。 その代わりミュート機構に関して
は通常動作時の記述しか書かれていないようです。 また、そもそ
も、電源電圧が高いですから、少々の不安定動作でもノイズが大
きく出ると想像できます。 それに対し、PGA2311データシートには
電源不安定時の動作に対する記述がございます。 また、CS3310
データシートには電源不安定時の動作までは記述がございません
が、ミュート動作の詳細が記述されております。
あくまで、弊社条件において、しかも、ごく限られたロットを対象と
した評価による結果ですので、ご使用環境によって結果が異なる
可能性がございますが、ポップノイズ低減のし易さは上記データシ
ートから想像できるとおり、PGA2311、CS3310、PGA2310(易→
難)の順と確認しています。
下図に、既に弊社データシートを参考にPGA2310を用いた回路
を製作された方がミューティングリレーを手軽に追加するための回
路例をご紹介します。 リレーによるミュートは非常に簡単で、か
つ、確実なミュートが可能です。 また、電源が完全に供給されて
いない状態でも、ミュートは機能しつづけます。 しかしながら、小
信号用リレーの殆どは、各電子ボリュームIC内蔵のゼロクロス機
能待ち時間より短時間で作動するため、音楽信号再生中にリレー
によるミュートが掛った場合、通常動作時における電子ボリューム
ICのミュート端子操作よりも若干大きなノイズが発生する場合があ
ります。
また、この回路例はPGA2311、CS3310をお使いの方が、更なる
安定動作のためにミューティングリレーを追加される場合にも勿論
お使いいただけます。
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